コラム

自賠責保険とは?その仕組みと任意保険との違いをチェック

「自賠責保険」は強制保険とも呼ばれ、車を運転する人は必ず加入しなければならない保険です。車検と共に更新されることが多いため、加入していても実際の保険料や補償内容を詳しく知らない人も多いかもしれません。加入するからには、その目的や補償内容を知っておきたいもの。「自賠責保険の保険料は見直しできる?」「自賠責保険に入っていれば、任意保険は不要なの?」などの疑問を持つ人に向けて、自賠責保険の仕組みや任意保険との違いについて解説します。

自賠責保険とは

車を運転する人が入る保険には、「自賠責保険」と「任意保険」の2つがあります。まずは、自賠責保険の特徴を確認し、任意保険と比較しながらそれぞれの違いを見てみましょう。

自賠責保険は、最低限の保証として強制的に加入する保険

自賠責保険は「自動車損害賠償保障法」によって加入が義務付けられる対人損害保険です。あくまでも最低限の保証をするために加入が義務化されています。未加入で車を運転すると「無保険運転」とされ、法律違反になります。もし無保険運転の状態で人身事故を起こしてしまうと、すべて自身で賠償金を捻出しなければなりません。

事故を起こさないとしても、無保険運転が発覚すれば次のようなペナルティがあります。

  • 1年以下の懲役または50万円以下の罰金
  • 交通違反とされる。違反点数は「6点」ですぐに免許停止処分。

無保険運転の違反点数6点は、車検を受けていない「無車検運行」と同じ重いペナルティです。自賠責保険は車検時に更新されるのが一般的で、うっかり車検の更新時期が過ぎてしまうと車検と自賠責保険の双方が失効してしまう可能性があります。無車検運行と無保険運転の違反点は合わせて「12点」に達します。15点以上は免許取消処分ですので、それまでの違反点数によっては、発覚時点ですぐに免許が取り消される可能性もあるでしょう。

また、自賠責保険に加入していたとしても、運転中に自賠責保険の証明書を所持していない場合には30万円以下の罰金が科せられます。自賠責保険の未加入や証明書の不携帯は重大な交通違反になることを覚えておきましょう。

自賠責保険と任意保険の違い

自身で任意に加入する民間の自動車保険を、強制である自賠責保険に対して「任意保険」と呼びます。自賠責保険と任意保険、それぞれの性質や補償対象は以下の通りです。

自賠責保険

  • 強制加入
  • 事故を起こしたときに、相手方(被害者)への賠償を補償する対人保険
  • 相手方の人身傷害の状態ごとに補償金額が設定されている
  • 保障金額には限度額がある

任意保険

  • 自身の判断による任意加入
  • 自賠責保険よりも補償の幅が広く「対物」「自損」「自分や同乗者への補償」などへの補償が可能
  • 補償項目によっては限度額の無い「無制限補償」が可能

自賠責保険制度によって義務化されなければ、無保険運転の車が増えてしまうことが考えられます。そのような車が人身事故を起こしてしまえば、事故被害に遭った人は適切な補償が受けられず、生活そのものが破綻してしまうこともあるでしょう。車社会において、歩行者や運転者が互いに安心して過ごすために必要なのが自賠責保険です。被害者に対する救済を目的とするため補償内容が限定されており、補償金額に限度額があるといったように必要最小限に抑えられています。

なお、自賠責保険の補償金額は以下の通りです。

  1. 傷害による損害(限度額120万円)
  2. 後遺障害による損害(限度額4,000万円)
  3. 死亡による損害(限度額3,000万円)

強制保険とはいえ、なかには無保険運転をする人もいるかもしれません。無保険運転による事故被害者や加害者の特定されないひき逃げ被害に遭った場合には、政府の保障制度によって自賠責保険を代替する補償が受けられる仕組みになっています。また、加害者が保険会社への手続きを行わないときは、自賠責保険も任意保険も、被害者側が加害者の保険会社に損害賠償額を直接請求することが可能です。ただし、前述したとおり、自賠責保険はあくまで最低限の保証でしかなく、万が一、自分や家族が事故にあった時の治療費や、自分の車に修理が必要になった時には満額を負担しなければいけません。できるだけ任意保険に加入し、十分な対応ができるように準備しておきましょう。

自賠責保険と任意保険の加入方法の違い

自賠責保険と任意保険では、加入方法も大きく異なります。比較をしながら、加入方法について詳しく解説します。

自賠責保険と任意保険は加入方法が異なる

自賠責保険は加入が義務化されていることもあり、車を購入した時点で加入手続きが行われます。新車の場合は購入店で加入手続きを行い、中古車の場合は購入店、もしくは自身で自賠責保険の名義変更を行うといった違いはありますが、いずれにしても車を所有した時点で手続きを行うことになります。

また、保険対象期間が設定されており、定期的な更新が必要です。一般的には車検時に更新を行うことになるため、次の車検時期までの期間で設定されます。車検期間は、新車の場合は購入時から36ヶ月、新車以外は24ヶ月です。車検は自賠責保険が有効期間中である必要があるため、手続きに時間がかかったり整備がおくれたりして期限切れになることがないように、余裕を持った期間が設定されているケースがほとんどでしょう。多くは、「37ヶ月(36ヶ月+1ヶ月)」「25ヶ月(24ヶ月+1ヶ月)」で加入することになります。車を購入する場合は、車検の期限とともに自賠責の保険期間も確認しておくとよいでしょう。

一方で、任意保険の場合は、自身で保険商品を比較検討し、希望の補償内容に該当する保険会社で加入します。任意保険は通常1年ごとの契約となり、契約プランも自身で選べます。契約途中や契約満了後に保険会社を変更するのも自由であり、自己都合での途中解約も可能です。自由度は高いものの、更新といった手続きは自分自身に全て委ねられるため、うっかり保険期間が過ぎてしまわないように注意しなければいけません。購入時に自ら任意保険の手続きをする場合は、納車前に加入して納車の当日から自動車保険の補償が開始されるようにしておきましょう。

自賠責保険と任意保険の補償範囲の違い

上述したように、自賠責保険は事故被害者救済を目的とし、補償額には限度があります。一方で、任意保険の補償範囲は幅広く、自身で内容を選択します。保険会社によって詳細が異なりますが、任意保険は以下のようにおおむね4つの補償に大別されます。

  1. 相手方への補償
    他人に怪我を負わせた場合や他人の物を破損してしまった場合の補償です。人に対する補償は「対人賠償責任保険」、物に対する補償は「対物賠償責任保険」と呼ばれます。
  2. 運転者と搭乗者への補償
    「人身傷害補償保険」や「搭乗者傷害保険」は、運転者と同乗していた人に向けた補償です。乗車中の怪我に対する治療費や休業損害、精神的損害などに対する補償です。死亡時を含めた補償になります。
  3. 車に対する補償
    事故によって車が壊れてしまった場合や、盗難に遭った場合の損害を補償する「車両保険」があります。
  4. その他オプション補償
    保険会社ごとに、さまざまなオプションが用意されています。例えば、事故等で訴訟が生じた場合の弁護士報酬や訴訟費用などを補償する「弁護士費用等補償特約」や事故時の「レンタカー費用」、「代替交通費用」などへの補償が挙げられます。

任意保険への加入では幅広い補償がある方が安心ですが、補償金額と対象範囲を広げるとその分保険料も高くなります。補償内容を理解して、必要に応じた保険を決めると良いでしょう。また、任意保険で被害者への対人補償をプラスしている場合には、自賠責保険からの保険金に加え、自賠責保険超過額が補償されます。

自賠責保険や任意保険の見直しは可能か

保険は万が一の事故に備えるものであり、自身の状況やライフスタイルの変化に合わせて補償内容を見直したいと考えることがあるかもしれません。また、内容を見直すことで、保険料を下げたいと思う人もいるのではないでしょうか。しかし、自賠責保険の保険料は法律で定められているため、変更することはできません。一方で、自身の判断で加入する任意保険は、見直しが可能です。任意保険における保険料見直しのポイントを紹介します。

任意保険の保険料見直しのポイント

  • ポイント1:保険会社や補償内容によって保険料は変わる
    任意保険を見直す際に、まずチェックしておきたいのが保険会社による違いです。保険に加入する際、対面で契約するタイプの保険会社と、インターネットや電話で契約できるタイプの保険会社があります。人件費や店舗維持費が不要な分、後者の方が保険料を抑えられるとされています。さらに、補償内容によっても保険料が異なるため、必要に合わせて見直すのも良いでしょう。補償対象ごとに保険の必要性を見極め、不要と思われる部分の補償は契約しない、もしくは契約する場合も補償金額を抑えるといった方法で保険料を抑えることが可能です。
  • ポイント2:走行距離や運転実績で保険料が変わることがある
    走行距離や運転実績で保険料が変わることがあります。まず、年間の走行距離は保険料を決める要素のひとつであり、走行距離が短いほど保険料が抑えられる傾向にあります。また、優良運転者とされるゴールド免許証を持っている人は保険料が安くなります。ただし、原則として、若者や高齢の方は保険料が高くなる傾向にあります。また、保有している車の型式全体で事故が多いと、乗っている車の事故リスクが高いと判断されて保険料が上がってしまうこともあります。

近年注目のカーリースは保険料を含むプランも選択可能

保険料をはじめ、車を維持するためには何かと費用がかかるものです。自賠責保険は車検時に支払うことになるため、車検代も含め一時的に大きな出費が必要になります。毎年の税金やメンテナンス費用など、その都度発生する出費が大変だと感じたら、カーリースを検討してみてはいかがでしょうか。

カーリースとは所定の月額使用料を支払い、車をリースする仕組みです。毎月のリース代に税金や車検代、自賠責保険料が含まれているため、月々の出費が一定になりやすいという特徴があります。プランによってはメンテナンス料金を含めることが可能で、任意保険を追加することもできます。車検代や自動車保険の更新の度に、「支出が多くなって困る」と悩んでいる人におすすめです。

自賠責保険と任意保険で万が一の場合に備えよう

自賠責保険は事故が起こってしまったとき、被害者に対して最低限の補償を確保するための強制保険です。重要な保険ではありますが、対象は被害者への「対人補償のみ」と限定的です。万が一、自分や同乗者が怪我をした時の補償を考えるなら、任意保険に加入しておくと安心でしょう。また、任意保険なら自損事故にも対応し、対物の補償もできます。自賠責保険と任意保険に加入して、安心できるカーライフを過ごしたいものです。

Relation関連記事

Categoryカテゴリー